よくある質問と答え

みなさまからいただくご質問にお答えするコーナーです。
このほか、疑問がありましたらばお寄せください。

心構え
◆ほんとにアメリカ大陸横断するの?
◆無謀とは思わないわけ?
◆変人だと思われてない?
準備
◆あらかじめ、トレーニングとかした?
◆本とか読んで勉強した?
◆なぜ自転車を東京で買ったの?
◆やせた?
◆やせた? (2)
◆コースはどうやって決めたの?
◆地図はどんなのを使うの?
◆荷物はどれくらい持つの?
◆一日に何時間くらい漕ぐの? 何キロ進むの?
◆全部で何日かかるの?
実践
◆自転車はどうやって運んだの?
◆どこに泊まるの?
◆何を食べてるの?
◆まさか、あのピタピタのロードレーサールックで走るんじゃないでしょうね?
◆洗濯とかはどうしてるの?
◆お尻、痛い?
◆ほかには、どこが痛い?
◆危険じゃないの?
◆自転車にカギかけてる?
◆キャンプをまったくしないで横断って可能?
◆お金はどれくらいかかるの?
◆自転車など道具類はどんなのを使ってるの?
◆パンク修理とかって、やっぱり自分でするわけ?
◆そんなに長い旅行、けんかしたらどうするのよ?
◆片方が「もうやだ」と決めたら、一人でも続ける?
◆なんかものすごくのろいようだけど、ちゃんと完走できるの?

◆ほんとにアメリカ大陸横断するの?

どうやら本当みたいです。2001年4月22日の朝日新聞日曜版に、ベトナムで両足を失ったにもかかわらず、拳で歩いて大陸横断した人の話と写真が出ていました。足のない人に拳で大陸横断ができるというのに、五体満足な我々が自転車でできないわけがない。というわけで「危険である」とか「不可能である」という理由で、この旅行に反対したいとお考えの皆さんは、これから出発までの短い時間に、かなり説得力のある材料を提出していただく必要があります。(4月24日 も)

◆無謀とは思わないわけ?

そりゃあ私だって、最初は無謀と思いました。でも、色々調べてみると、アメリカでは、自転車で大陸を横断するための専用マップというものが売られています。そういうものが商品として成立する以上、多分、それほど無謀なことではないんだろうと判断せざるをえません。(4月24日 も)

◆あらかじめ、トレーニングとかした?

一応…。いくらなんでもたるみっぱなしの状態では不可能と思うので、4月の末に自転車を購入し、乗り始めました。最初30キロ走ったときは口もきけないくらい疲労困憊したのに、6月9日現在、連続して50キロ走る日があっても、一応なんとか人間として機能できる程度になってきました。身体って、適応力あるんですねー。信号や自動車に煩わされずにスピードを出せる場所としては、代々木公園(小学生がいない朝10時ごろまで)が非常に快適です。砧公園、野川沿いのサイクリング道路もオススメ。それでも、出発までに基本的な筋力と心肺機能が整備されるかどうかは、まだ不明。シュワーツは「2ヶ月で完走だ!」といきまいたかと思うと、翌日は一転して「完走できる確率は5割だな」なんて悲観的なことを言います。要するに、見当もつかない…。(6月9日 も)

◆本とか読んで勉強した?

山のように読んでいます。経験がないくせに、知識だけはあるという半可通状態で出発することになります。荷物山積みにして走る旅のスタイルについては、日本語の資料が少ないので、ほとんどがアメリカの本です。横断旅行については、ウェブサイトもずいぶんありますが、情報量から言うと、やはり本のほうがいいです。そのうちリストをまとめておきます。(5月22日 も)

◆なぜ自転車を東京で買ったの?

アメリカのほうが、当然、安いです。私の調査によると、同じ品物の価格が2、3割違います。しかし、アメリカへ到着してからゆっくり自転車に慣れている時間はなく、また購入してからしばらくの初期調整のことを考えて、東京で買いました。ママチャリならお店で「コレ」って指差して買うだけでいいけど、こういう自転車は身体にあわせて色々調整する必要があり、指差しただけでは買えないのです。南町田のREIで、信頼できるスタッフにめぐりあったこともあります。何も知らない私たちの質問にあきれながら、手取り足取り基本を教えてくださった田村さん、ありがとう! (5月22日 も)

◆やせた?

この質問は、非常によく出ます。(笑) 自転車買って40日ほど経過した現在、まるで体重が減る様子はありません。なにしろ食欲出ちゃって、朝からバクバク食べてる上、送別会その他で外食の機会が多くなったんで当然ですが…。若干脚や肩の筋肉が充実した様子があるほかは、体型変化なし。下腹の脂肪が消える様子もなし。自転車こいで消費されるカロリーは1時間あたり100カロリーから400カロリーぐらいまで幅広く発表されているので、これは考えても無駄だということにして、食欲は自然にまかせています。ただひとつ気になるのは、自転車やキャンプ用品などの重量を500グラム削るのはすごく大変だけど、体重2キロ減らすのは、多分それほど困難じゃない、という点です。もしかしたら、少々食事制限して出発までに身体をしぼったほうがいいのかもしれません。この件に関しては、また報告します。(6月4日 も)

◆やせた? (2 出発1ヶ月後)

出発して約1ヶ月経過した現在、やはりやせる様子はありません。走った日には普段の倍は食べてるから、減るわけがない。いろいろ聞いたところによれば、こういう旅行をすると、男性は体重が減り、女性は増える傾向があるそうです。こんなに運動しているというのに太ったらどうしよう! (8月5日 も)

◆自転車はどうやって運んだの?

輪行の要領で一部分解してダンボールに入れ、宅配便に頼んで成田まで送り、空港のカウンターで受け取って、そこから飛行機に乗せ、アメリカに到着したらレンタカー屋にバンを借りて自転車屋まで持ってゆき、そんで組み立て点検をし、スタート地点までまたバンで運びます---と書くと簡単そうだけど、数々の困難に遭遇しています。ダンボールの入手困難、宅配便屋の多くが成田へ自転車を運んでくれないこと(佐川急便は大丈夫)、航空会社もダンボール入り自転車を乗せるのを渋ることがある等、しっかり準備をしておかないと出発できなくなります。到着地での自転車屋の手配も大事。これから似たような旅行を計画している人は、くれぐれもご注意を。(6月28日 も)

◆どこに泊まるの?

なるべく屋根のある場所に泊まりたいと考えています。ただ、町と町の間が100キロ以上離れていることがあるので、屋根にこだわりすぎるのは危険です。だから、一通りのキャンプ用品も持参しています。人口が数千人程度の場所ならモーテルぐらいあると期待できます、2万人を超えれば、全国チェーンのビジネスホテルの類もあるはずです。しかし、人口40人では、よろずや一軒あれば御の字。そういう場所では近くにキャンプ場を探し、それもなければ、テントをはれる場所を探すことになります。教会、公園、消防署などが親切だと聞いていますが、7月14日現在、まだキャンプ場でない場所にテントをはったことはありません。どうなることやら。でも、横断旅行をすべてテントで実行する人たちも多いようですから、我々はかなりヤワなほうだと言えるでしょう。(7月14日 も)

◆洗濯とかはどうしてるの?

もちづきは汚れ物を持ち歩くのが嫌いなので、ほとんど毎日のように手洗いし、夜の間に乾かしています。シュワーツは洗濯がきらいなので、2、3日おきにコインランドリーをみつけて、そこで洗濯しています。ビジネスホテルには、たいてい洗濯機と乾燥機があります。キャンプ場でも、付近の木にひもを渡して洗濯物を干すことが可能です。また、気をつけていると、1日に2度程度はコインランドリーを見かけるものです。2人とも化繊のハイテク素材を多く持参しているので、乾燥はあっという間です。(7月14日 も)

◆そんなに長い旅行、けんかしたらどうするのよ?

どうしようもないです。だって、ひとりで山道を走るのは危険すぎるし、ジュース一本買いに店へ入るのだって荷物の見張りがいないから困難な場面が多いはずです。どうしても口ききたくないなら、離れて走ることは可能です。でも、これもそうそう遠くへは行けないし、夜になれば、また同じ宿に泊まることになります。譲り合いの精神をもって旅をするしかないですね。これって、普段の生活と一緒じゃないでしょうか。おもしろいことに、この質問は、既婚の友人たちからたびたび寄せられます。(我々を直接ご存知ない皆さんの参考のため申し上げておけば、日本語を使っているときは姓が違うのでわかりにくいですが、我々は結婚しています。)(7月14日 も)

◆変人だと思われてない?

出発前の東京では、ずいぶん変人扱いされました。そのため、本当に無理なことをしようとしてるんじゃないかと、不安になることもありました。ところが、ワシントンDCに着いたら状況は一変し、スポーツ用品店にも、自転車屋にも、横断旅行をした経験のある店員さんがいて、いろいろ教えてくれました。彼らにはだいぶ勇気づけられました。とうとう実際に出発してみれば、我々のたどっているコースは、自転車用の横断コースとしてはかなり有名なものなので、沿道の人たちは誰も驚きません。「暑いのにご苦労だね」とか「今日はどこまで行くの」という具合です。自動販売機のコーラを買いに立ち寄ったトラック修理屋さんでは、本当かどうか知りませんが「シーズン中は1日に40人は通るね」などと言われました。自転車ではなくても、車やヒッチハイクで横断した経験を持つ人もたくさんいて、彼らの旅の話を聞くのも楽しいものです。大陸横断が高校生の夏休みの冒険だったり、引退したご夫婦の第二の人生の記念だったりするアメリカで、我々は別に変人ではなくなりました。ほっ。(7月14日 も)

◆なんかものすごくのろいようだけど、ちゃんと完走できるの?
たしかにのろいです。出発してもうすぐ1ヶ月になりますが、距離にして全行程の10%ぐらいしか進んでいません。のろい原因は、(特に望月の)身体ができてないこと、エネルギーのロスが多いマウンテンバイクを使っていること、荷物が多いこと、観光に重点をおきすぎていること、シュワーツの自転車が何度も故障していること、アパラチア山脈を越えていることなどです。この後、慣れるに従い、ペースをあげる予定です。荷物を減らそうとか、ほんとにこのまま横断したいのかなどの相談も進んでいます。(8月2日 も)

◆お尻、痛い?
そりゃあ、痛いです。でも、自転車を買ったばかりのころほどではありません。特に望月は、最初は1時間で悲鳴をあげていたのが、サドルの高さと向きを調整し、ゲル入りのサドルカバーを購入してからほとんど問題を感じなくなりました。特別長距離のとき以外は、パッド入りの自転車パンツも不要なくらいです。サドルカバーの弱点は、ぬれたときの始末が悪いことですが、やっぱりこれほどありがたいものはありません。あ、もちろん、ベテランの人たちはこんなもの使いません。(8月2日 も)

◆ほかにはどこが痛い?
筋肉痛は、足腰だけでなく、全身に分布しています。ときどき手の位置を変えてはいるのですが、ハンドルにぎった衝撃を受けている手のひらも痛いです。長時間乗ると脚の裏もしびれてきます。頭を支えている首の後ろも痛くなります。それでも、一番問題なのは、全身の疲労かなあ。いやはや。(8月2日 も)

◆自転車にカギかけてる?
かけてます。特に、交通量の多い場所では、短時間でもかならずカギを使っています。例外として、田舎のまんなかの、周囲に何もないよろずやの前に駐輪するときは、カギをかけないことがあります。なにしろ自転車なくなったら一巻のおわりですから、かなり気をつかっているつもりです。(8月2日 も)

追加。モーテルに泊まるときには、部屋の中へ自転車を持ち込んでいます。悪天候で自転車が汚れている日には、建物の外できれいにしてから持ち込みます。当然、モーテルは一階の部屋を指定します。ペットを連れて泊まれるモーテルもあるわけですから、基本的なマナーに注意してさえいれば、自転車持ち込みはそれほど問題になりません。(8月9日 も)

◆一日に何時間くらい漕ぐの? 何キロ進むの?
理想的には、夜明けと共に出発して、お昼ごろには自転車を降りていたいです。6〜7時間くらいですね。これは午後の気温と日差しをさけるためです。で、全旅程を通じた一日の走行距離の平均は、100キロぐらいほしいところです。しかし、現実には、走行時間はもっとずっと長いですし、山道を走っているせいもありますが、平均100キロはまだ遠い目標です。今後、目標に向けて、じりじりと改善していきます。(8月2日 も)

◆パンク修理とかって、やっぱり自分でするわけ?
我々はマウンテンバイクにでこぼこの少ない舗装道路用タイヤをはかせているので、8月2日現在まだ一度もパンクしていませんが、もっと細いタイヤの人たちは年中パンクします。みんな、簡単工具一式と、パンク修理キット、予備チューブと予備タイヤ、空気入れを持って走っています。予備スポーク、予備ワイヤー、ブレーキパッド、チェーンツールなども必須です。経験の長い人なら、自転車屋さんに頼らずに、ほとんどのメンテナンスを自力で済ませています。田舎では、自転車屋さんまでの距離が100キロを越えることがあり、簡単なことは自分でしないと、前へ進めません。(8月2日 も)

◆全部で何日かかるの?
速い人だと休養日入れて約2ヶ月、ゆっくりの人だと4ヶ月ぐらいかかるようです。山越えが2回あるので、5月から9月までぐらいが適切なシーズンです。(8月9日 も)

◆まさか、あのピタピタのロードレーサールックで走るんじゃないでしょうね?
出発前の東京では、「とんでもない」と思っていたロードレーサールックですが、いざ実行してみると、その機能性がよく分かります。軽いし、すぐに乾くし、動きやすい。特に、パッド入り自転車パンツは優れもので、あれを履いていると、サドルによる股ずれの心配などをしなくて済みます。道理で、ほとんどの人が、自転車専用ウエアを着ているわけです。最初はいやがっていた望月ですら、だんだん自転車パンツに日焼け防止用の長袖シャツを組み合わせて着ることが多くなってきました。かっこ悪いとか何とか言ってる場合じゃないんです。(8月9日 も)

◆危険じゃないの?
考えられる主な危険としては、交通事故、体調を崩す、盗難があります。

交通事故は怖いです。アメリカの交通法規では、自転車は完全に車両扱い。時速60キロの車にまじって車線変更をして左折しなければならないときや、高速の出入り口を横切るとき、路肩のない道を走るときなど、かなりの無理を強いられます。また、田舎では、道路に夜間照明がない場合が多く、自転車用の小さいヘッドライトとテールライトをつけている程度では、十分な明るさが得られません。東京の歩道の上をママチャリで走るのとは違うので、自転車用のヘルメットは、かぶっていない人もいますが、必要だと思います。

体調維持にもかなり気を使います。ひざ等を痛めてリタイアした人たちの話を聞きますので、ストレッチは欠かせません。脱水も恐ろしいので、重くてもかなりの量の水を運搬し、補給しつづけています。走行中に血糖値が下がりすぎると気力体力ががっくり落ちるので、おやつを少しずつ食べながら走っています。何を食べるかを自由にコントロールできないので、無論、念のため、総合ビタミン剤を毎日飲んでいます。夜明けと共に起きるので、夜はさっさと寝ます。雨の日、気温が低い日には、邪魔でも消耗しないようにヤッケを着ます。日焼けしすぎるのもまずいので、毎朝出発前に日焼け止めを塗っています。このあたりはすべて常識レベルなわけですが、けっこうな手間です。

盗難については、この項目をご覧ください。(8月9日 も)




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